「キッチンに立っていると腰が痛くなる。」
「歩いているときより、むしろその場で立って作業している方がつらい。」
そんな経験はありませんか?
訪問リハビリの現場では、
「キッチンに立つのが一番つらい」という声を本当によく聞きます。
その原因の多くはシンプルなことなんです。
『キッチンの高さが合っていないこと』
身長に対してキッチンの高さが低いんです。
結論から言うと、
腰痛を防ぐためには「キッチンは高め」がおすすめです。
この記事では、
・なぜ低いキッチンが腰に負担をかけるのか
・どのくらいの高さにすればいいのか
・すでに低いキッチンの場合の対策
を、現場経験ベースで解説します。
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キッチンで腰痛が起きる本当の理由
キッチンが低いと、自然と少し前かがみの姿勢になります。
この「少し前屈み」が要注意なんです。
-
腰の筋肉は常に引っ張られた状態 →余裕がなくなる
-
体を支えるために力み続ける →常に緊張状態
-
しかも動かない(静止) →緩むときがない
⇨筋肉にとって一番つらい条件が揃う
というのが大きな理由です。
前かがみになると、腰は自然なカーブを保てず、丸まった状態になります。
すると、腰の筋肉や靭帯はずっと引っ張られたままになります。
前かがみの姿勢は、ただ立っているだけの姿勢に比べると約2倍の負担が腰にかかるそうです。
キッチン作業は、
・その場で立ち続ける
・作業時間が長くなり、同じ姿勢が続く
さらに、
・「少し前かがみ」少しのことだと我慢できてしまう
・作業に集中するので、自分の身体のことは後回しになる
という特徴があります。
つまり、
腰に負担がかかり続ける状態が、何分も・何十分も続く →しかも毎日
ということです。
普段から腰痛があるなら、椎間板や関節に負担がかかることも慢性化しているかもしれません。
『身体の硬さやわずかな歪み』
+
『キッチン作業時の負担』が加わります。
結果として、
低いキッチンでの立ち作業は「気づかないうちに腰にダメージをため続ける環境」になります。
*日本工作機械工業会の調査によると、
作業環境が合わないことによる腰痛は、全体の約40%を占めるとされています。もしも適切な環境で作業できたら多くの腰痛は軽減されるかもしれません。
歩く方が楽な理由
一方で、歩いているときは
・姿勢が変わる
・筋肉が交互に使われる
歩いているときは、姿勢が変わり、筋肉も交互に使われるため負担は分散されます。
しかしキッチンでは、それが起こりません。
「立っているだけなのに痛い」
「歩くよりもキッチンの方がつらい」
と感じるのは、このためです。
今すぐにできる対策はこちらです→
キッチンの適正な高さ
一般的に、作業台の高さは身長に合わせるのが基本。
以下の基準が参考になります。
キッチンカウンターの高さはどれくらいが適正か
立ったまま楽に作業できて、前かがみにならない高さが理想的。
一般的には、肘の高さから約10〜15cm下が最適とされています。
具体的には以下のような基準があります。
① 肘の高さから10〜15cm下
立った状態で肘を曲げた際、その高さから10〜15cm下の位置が、作業しやすいキッチンカウンターの高さです。
これにより、前かがみになることを防ぎ、腰痛を和らげる効果があります。
② 身長別の目安
・身長150cmの場合 → 約80〜85cm
・身長160cmの場合 → 約85〜90cm
・身長170cmの場合 → 約90〜95cm
・身長180cmの場合 → 約95〜100cm
この高さを基準に、快適に調理ができるように調整すると良いでしょう。
標準は 85cm (160cm の人に合わせて設定されている)
現在のシステムキッチン の標準規格は85cm。
読者様の肘の高さは測れないので、身長で算出してみました。
システムキッチン の標準高さ85cm
= 身長160cm ÷ 2 + 5cm
計算してみると、160cmの人に当てはまる計算です。
どうやら標準のキッチンの高さは女性の平均身長(160cm)に合わせて、85cmに設定しているようです。
ということは、だいたいの男性にとって、この高さは低いと言えます。
ぼくは男性(173cm)ですがキッチンに立ちますし、標準サイズだと低いことがわかります。
173cmの男性であれば、キッチンの高さは 90cmまたは 95cmの高さでもいいでしょう。
気になったので、日本人の平均身長を調べてみました。
男性:171.5cm
女性:158cm
家族がいたら誰に合わせればいいの?
ご夫婦や、家族がいたとしたら、身長が違うことが多いですよね。
例えば、奥さんが158cm、ご主人が171cmだとして、どちらの身長に合わせたらいいか悩むと思います。
この場合は、ご主人の171cmに合わせることがおすすめです。
171cm÷2+5cm=90.5
キッチンの高さは90cmが妥当です。
現場での例
今まで リハビリの現場で、90cmのキッチンを使用していた例が3件ありました。
いずれも150cm前半の女性が主に使っていました。
(*計算するとだいぶ高めの設定になります)
お伺いしたところ、3人とも「キッチンの高さで不便を感じたことはありません」とのこと。
さらにみなさん腰痛はありませんでした。
腰の手術をしたいる方、膝が痛い方もいましたが、どの方も腰痛の訴えはありませんでした。
ここで考察できる事実は、
身長に対してキッチンが高めの方は腰痛を感じていないということです。
(*事例が少ないですし、必ずとはいえませんが、、参考までに)
例が少ないのは多くのお家が 85cmのキッチンで、
90cmの設定にしているお家があまりありません。
それくらいあまり気にしていないと言えるかもしれません。
高いキッチンは問題ないのか?
結論としては、多少高い分には問題になりにくいです。
理由はシンプルで、
-
手元が下がるだけで姿勢は崩れない
-
腰が丸まることがない
からです。
ただし、
・肩が上がる
・腕が疲れる
といったことは出てくる可能性はあります。
でも、我が家ではまったく困ったことはありません。
現場でも、
『高すぎて不便』という意見は聞いたことがありません。
キッチン高さを変えられる人へ
リフォーム・新築される方は、絶対に確認することをお勧めします。
方法は、
ショールームなどを見学し、キッチンの前に立ってみること。
だいたいのショールームでは、高さの違うキッチンが設置しているはずです。
上の計算式に当てはめて、高さを計算してから試しに行く。
または、
実際に高めのキッチンに立って、肘の高さから10〜15cm程度を目安にする。
ぼく自身、はじめは『高いかも』と感じました。
でも慣れてくればまったくそういった感覚は無くなります。
今では、あるべきタイミングでキッチンの高さを見直しておいて良かったと実感しています。
キッチンの高さを変えられない場合の現実的な対策(低いキッチンで腰が痛いときの対策)
実際にキッチンの高さを変えることは難しいことが多いです。
そのため、すぐにできる対策をご紹介します。
環境による対策
もしキッチンの高さを変えられない場合は、
「環境を調整する」ことで腰の負担はかなり軽減できます。
実際におすすめなのはこの3つです。
① 床の負担を減らす → 厚手のキッチンマット
② 姿勢を分散する → 片足を乗せる台
③ 腰の安定 → コルセット
特に、長時間キッチンに立つ方はマットの効果が大きいです。
長時間立っていると腰がつらい方は、
床からの負担もかなり影響しています。
実際に訪問先でも、
クッション性のあるマットを使っている方は
立ち作業が楽になっているケースが多いです。
簡単ですし、最初に実践する対策としてお勧めです。
姿勢による対策
ずっと同じ姿勢を取り続けることも腰痛を感じやすくなります。
ときどき姿勢を変えることも対策になり得ます。
① 足を開いて作業する
足を開くと自分が少し低くなります。
そして、下半身が安定して、腰の負担が減ります。
一般的に推奨されるのは、「騎馬立ち」と呼ばれる姿勢。
足を広めに開き、膝を軽く曲げた状態になることをいいます。
② 前後に開く
多少足を前後に開くのもおすすめです。
下半身が安定するのと、左右だけでなく前後ろの支えが得られます。
また、長時間の作業を避け、休憩を取りながら作業することも推奨されます。
まとめ
キッチンの高さは、後から変えるのがとても大変です。
だからこそ迷ったときは、
「少し高め」を選ぶことをおすすめします。
理由はシンプルで、
-
低いと腰に負担がかかる。
-
作業が長時間位なりやすい。
からです。
特に腰痛が心配な方は、
「将来も無理なく使える、自分の身長に合った高さ」という視点で選ぶことが大切です。
「高さを変えられない場合」は、
環境を整えることでかなり楽になります。
まずは負担を減らすところから始めてみてください。


